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LYRICS

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17:59

同じ言葉を探しているのは

誰の為だろう 見当たらない
「この日が来れば」の一区切りなく
夕闇に飲まれていくのだ

洗脳された街を目にして
憎みっぱなし 何の為だろう
色の剥がれた看板が
影を濃くして
足元を暗くするのだ

淋しさに気付いてしまいそうだったんだ
背を向けるようにしても

滾々(こんこん)と
水道の蛇口を捻ったように
ただ、ただ、ただ、止まない

帰る場所を知っている鳥が
夕陽に眩んで赤く 赤く溶けた
「明日は、」
と言いかけて噤(つぐ)んでいた
期待することは止めるのだ

恋しさを口にしてしまいそうだったんだ
何かが張り裂けていくみたいに
緩んでいく 端から零れ落ちる
なんとなく わかっていた

あなたは私を愛とも拒絶とも
してくれやしないから
泣いては歩けん
泣いては歩けん
泣いては

温もりというものを
知ってしまった

歩幅を変えずに辿り着いた部屋は
暖かくも寒くもない暗闇
どこかの家族が笑い声 響かせ
連れてきた気持ちに蓋をするのだ

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​真夜中とダンス

車が吐き出した煙が
頬を掠めて空へ舞い上がる

私と踊ろう

夜が追いやられた裏路地
誰も知らない場所を探して

私と踊ろう

ねえ、聞いてよ、もう。
真っ暗な夜が掴めないで消える
死ぬ死ぬ宣言・虚偽・見栄張っちゃってさ
時間忘れて 輪になって
踊ろう

ねえ、聞いてよ、もう。
真っ暗な夜が掴めないで消える
死ぬ死ぬ宣言・虚偽・見栄張っちゃってさ
ねえ、踊ろう。
真っ暗な夜が指先舐めて消える
生きぬ恥・語らぬ老人の眼差しを

裸足になって 靴を捨てて
時間忘れて 輪になって
踊ろう

 

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迎え火

あなたと歩く 夢の通ひ路

小石 蹴飛ばし 追い駆ける音よ

ゆっくり染まる 鬼灯の空

忘れてゆくわ 夏の入口を

 

風が伝える 焦げた匂いと

幻 見せる 陽炎の道

誰かが燃やす 帰ってこいと

迷わぬようにと 目印になるよう

 

手の鳴る方へ こっちにおいで

指折り数えるわ 逢える日を

炎の中を 託しながら

想いを馳せている ここにいると


 

遠くに消えた 夕暮れの雨

滴り落ちる 柳の雫よ

横目で見やる 蝉の脱け殻

命の洪水の中を 切り裂く

雲のその先へ

 

願いよ届け 舞い上がれ

燃え尽きる頃には 逢えることを

帰ってくると 待ち侘びながら

想いを馳せている ここにいると

 

夢のように ほんの少しでも

あなたと 言葉を交わせなくとも

炎の中を 託しながら

想いを馳せている ここにいると

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​ウヰスキー

夜明けの中を踏み鳴らす
宛てなく向かう足は孤独
格好つけたコート揺らし
あれはあれと
これはこれと

区別を

『オイ、【大事なもの】は見えているか』
馬鹿デカい問いかけに笑う
頭の中を空っぽに出来るなら何でもいい

音楽に救いを求めようとも
『先に裏切ったのはお前の方だろう』と
穏やかに海が責め立てる

熱を持て余した部屋で
冷めたグラスの中に答えを探す
泳いでいるのか溺れているのか
曖昧なまま、蕩(とろ)けてゆくように。

『先に裏切ったのはお前の方だろう』と
穏やかに海が責め立てる

熱を持て余した部屋で
冷めたグラスの中に答えを探す
泳いでいるのか溺れているのか
曖昧なまま、蕩けてゆくように。

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​シェルター

誰もいない
音もなく
風もない
穏やかな海の底のよう
私だけ

触れさせない
奥の方
そっと撫でて許して愛でてゆく
誰とも約束はしない
ただ 空を見た
夕陽に唄
それだけでいい

最期には どんなもの瞳に映し
誰のことを思い出し
灰になっていくんだろう
優しい繭のように
揺り籠に揺られて
あたたかい腕の中を想う

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グッピーが泣く

ほんの少し震える拳を開く

心臓を貫いた喪う悲しみよ

何の力が有るっていうのだろうか

呆れるくらい何も無い あたしには

 

涙見せない 流せやしないと

何がそんなに奮い立たせるのだろう

鱗が剥げても尚上へと行く

痛みと共に泳ぐ姿は美しい

 

翻す鮮やかな全身

水槽の世界はこの両手に収まる

でも嘆かずこうして生きている

そしてここで生きてゆくのだと

切に教えている

 

吐き出せない想いの丈が

命を止めてしまうものならば要らない

何も知らない 気づかないまま

誰もが大声あげて泣いているの

かもしれない

涙見せない 流せやしないと

何がそんなに奮い立たせるのだろう

鱗が剥げても尚上へと行く

痛みと共に泳ぐ姿は美しい

 

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お忘れもののないように

遊んでいた校庭に
一人 ポツリ立つ
足の下から広がる
あたしの秘密 オレンジ

時間通り流れるアマリリス
錆びた自転車 叫んでる
『何時だと思ってるの!』
と 強く
誰か叱ってくださいな

それは あたしの中
未だに広がる海よ
大きく両手 広げて
溺れないよう泳いでゆく

うとうと と小舟こぐ
日暮里駅 目指す電車
『また明日ね!』
と 手を振り人が
一人一人と減ってゆく

それは あたしの中
未だに広がる海よ
大きく両手 広げて
溺れないよう泳いでゆく

誰も 誰も知らない
オレンジ色の秘密よ
独り占めして泳ぐ
遠くで鳥が歌っている

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光について

指先に隠れて消えてしまった

隙間から光が零れ落ちる

「掻き集めよう」

とあなたは笑う

どうか、このまま続きますように。

 

光が影を生み出すように

喜びと共に悲しみはあると

「生きたい」  「死にたい」

誰かが泣いている

どうしていいか分からない

 

私の中を満たすように

あたたかい光が照らしだす

見たいもの 見たくないものも

映してしまうよ

誰も 誰も 防げない

 

指先で そっと隠してしまおう

要らない未来を隠してしまおう

小さな抵抗を光は照らす

全て壊してしまおう

 

私の中を探るように

柔らかい光が照らしだす

目を反らしても導いてしまうよ

誰も必要としてなくても

 

光が影を生み出していくように

喜びと共に悲しみはあると

生きたいと泣いた人

死にたいと泣いた人

ただ光は照らすだけ

 

私の中を満たすように

あたたかい光が照らしだす

見たいもの 見たくないものも

映してしまうよ

誰も 誰も 防げない

私の中を潰すように

残酷で優しい光がある

見たいもの見たくないものも

映してしまうよ

例えばあなたが 私が死んだとして

全てを

 

指先に隠れて消えてしまった

隙間から光が零れ落ちる

あたたかい冷たい光を一緒に

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